どうすれば勉強するようになる? [子どもの勉強意欲について]
「勉強しなさい!」
といくら言っても全然言うことを聞いてくれない…
こういう声は案外多いです。
この記事では教育心理学を使って、
子どもがどうすれば勉強するようになるのかをお伝えします。
少し教育心理学の用語も出てきますが、できるだけわかりやすくお伝えしますので、
ご辛抱していただけると助かります。
まず、これから話すことを理解するために、2つの用語を紹介します。
外発的要因・・・他者や環境が賞罰を与えることにより、行動を促すこと。
内発的要因・・・人間が本来持っている興味や関心に従い、行動すること。
これらの用語の説明を見て、どういうことかなんとなくお分かりになるかと思います。
例えば外発的要因は、「1時間勉強したら30分ゲームをしていいよ!」といった感じのもので、
アメとムチを使い分けてやる気を出させるものです。
内発的要因は、「本を読むのが好きだから、現代文も解いていて楽しい!」といった感じのもので、
知的好奇心からやる気が起きているものです。
では、外発的要因と内発的要因では、どちらの方が良いと思いますか?
どちらの方が良い成績を収めると思いますか?
…結果はもちろん、内発的要因です。
外発的要因は、先の「1時間勉強したら30分ゲームをしていいよ!」という例でいうならば、
30分ゲームをするための“手段”として勉強しているにすぎません。
勉強の内容にはそこまで関心がないため、
理解のために工夫をすることもありません(内容分離的動機と言います)。
一方内発的要因は、勉強は“手段”ではなく“目的”になっています。
外発的要因による勉強よりも、理解を追求し楽しんでいます。
外発的要因に比べて勉強時間が多いであろうことに加えて、
理解のための工夫を凝らす傾向にあります(内容関与的動機と言います)。
よく親が子どもに向かって、
「勉強しなさい!」
というのは外発的要因なのです。
この言い方だと、勉強という“手段”ばかりで、
それで得ることができる“目的”がないから子どもは勉強をしないのです。
先の例では、30分間ゲームをするという“目的”がありました。
ムチばかりで、アメがないのですね。
内発的動機で、子どもが自ら進んで勉強してくれれば、
親としてこれほど有難いことはないでしょう。
しかしいまのところ、いきなり内発的動機を起こす方法は見いだせていません。
では、どうすれば良いかというと、
外発的動機から内発的動機へ移行させれば良いのです。
内発的動機付けの理論家デシは、外発的動機から内発的動機への移行を、
以下の4つの段階にわけて説明しています。
① 本当はやりたくないけれども、いやいややっている状態
② 本当はやりたくないけれども、やらないと格好悪い、やらないとまずいと察知する状態
③ 本当はやりたくないけれども、やっておくことは自分に必要であると認識する状態
④ やること自体がとても楽しい状態
また、教育心理学者の市川伸一さんは学習動機の二要因モデルを構築しています。
それによると、学習の動機は6つに分類できると言います。
① ~③は内容には関心を抱かない(内容分離的動機)で、
④ ~⑥は内容にも関心を抱く動機(内容関与的動機)です。
① 報酬志向・・・報酬を得る手段として
② 自尊志向・・・プライドや競争心から
③ 関係志向・・・空気や他者につられて
④ 実用志向・・・仕事や生活に活かすため
⑤ 訓練志向・・・知力を鍛えるため
⑥ 充実志向・・・学習自体が楽しいため
デシの理論であれば①から④へ、
市川伸一さんの理論であれば①~③から④~⑥へと、
移行させていけば良いのです。
もちろん、例外や注意しなければいけないこともあります。
例えば市川伸一さんの理論の例外は、使命感がとても強い人です。
「私はどーっしても医者にならなければいけないんだ!」
「僕が総理大臣になるのは天命なんだ!」
という感じで、使命感たっぷりの子どももいるのではないかと思います。
実用志向に近くはなりますが、そういう子どもは自ら勉強すると思いますので、ここでは扱わないことにします。
注意しなければいけないことは、内発的動機で勉強している人に、
むやみに報酬(アメ)を与えてはいけないということです。
面白がってやっていた活動(勉強)が、何かの報酬をもらうための手段だとみなされてしまうと、
もともとあった内発的動機が薄くなってしまうのです(減退効果といいます)。
例えば、もともとは仕事が好きでやっていたのに、年収3000万円もの報酬をもらっていたところ、
気づけば報酬目当てで仕事をするようになってしまうのです。
では、具体的にはどのように外発的動機から内発的動機へもっていけば良いでしょうか。
時間をかければ簡単なことで、親ができることとしては、
① いい環境を作ってあげること
② 良いアドバイスをすること
があります。
次の記事でこれらを紹介しますね!
今回出てきた市川伸一さんの理論について詳しく知りたい方は、
こちらの書籍がおすすめです。
といくら言っても全然言うことを聞いてくれない…
こういう声は案外多いです。
この記事では教育心理学を使って、
子どもがどうすれば勉強するようになるのかをお伝えします。
少し教育心理学の用語も出てきますが、できるだけわかりやすくお伝えしますので、
ご辛抱していただけると助かります。
まず、これから話すことを理解するために、2つの用語を紹介します。
外発的要因・・・他者や環境が賞罰を与えることにより、行動を促すこと。
内発的要因・・・人間が本来持っている興味や関心に従い、行動すること。
これらの用語の説明を見て、どういうことかなんとなくお分かりになるかと思います。
例えば外発的要因は、「1時間勉強したら30分ゲームをしていいよ!」といった感じのもので、
アメとムチを使い分けてやる気を出させるものです。
内発的要因は、「本を読むのが好きだから、現代文も解いていて楽しい!」といった感じのもので、
知的好奇心からやる気が起きているものです。
では、外発的要因と内発的要因では、どちらの方が良いと思いますか?
どちらの方が良い成績を収めると思いますか?
…結果はもちろん、内発的要因です。
外発的要因は、先の「1時間勉強したら30分ゲームをしていいよ!」という例でいうならば、
30分ゲームをするための“手段”として勉強しているにすぎません。
勉強の内容にはそこまで関心がないため、
理解のために工夫をすることもありません(内容分離的動機と言います)。
一方内発的要因は、勉強は“手段”ではなく“目的”になっています。
外発的要因による勉強よりも、理解を追求し楽しんでいます。
外発的要因に比べて勉強時間が多いであろうことに加えて、
理解のための工夫を凝らす傾向にあります(内容関与的動機と言います)。
よく親が子どもに向かって、
「勉強しなさい!」
というのは外発的要因なのです。
この言い方だと、勉強という“手段”ばかりで、
それで得ることができる“目的”がないから子どもは勉強をしないのです。
先の例では、30分間ゲームをするという“目的”がありました。
ムチばかりで、アメがないのですね。
内発的動機で、子どもが自ら進んで勉強してくれれば、
親としてこれほど有難いことはないでしょう。
しかしいまのところ、いきなり内発的動機を起こす方法は見いだせていません。
では、どうすれば良いかというと、
外発的動機から内発的動機へ移行させれば良いのです。
内発的動機付けの理論家デシは、外発的動機から内発的動機への移行を、
以下の4つの段階にわけて説明しています。
① 本当はやりたくないけれども、いやいややっている状態
② 本当はやりたくないけれども、やらないと格好悪い、やらないとまずいと察知する状態
③ 本当はやりたくないけれども、やっておくことは自分に必要であると認識する状態
④ やること自体がとても楽しい状態
また、教育心理学者の市川伸一さんは学習動機の二要因モデルを構築しています。
それによると、学習の動機は6つに分類できると言います。
① ~③は内容には関心を抱かない(内容分離的動機)で、
④ ~⑥は内容にも関心を抱く動機(内容関与的動機)です。
① 報酬志向・・・報酬を得る手段として
② 自尊志向・・・プライドや競争心から
③ 関係志向・・・空気や他者につられて
④ 実用志向・・・仕事や生活に活かすため
⑤ 訓練志向・・・知力を鍛えるため
⑥ 充実志向・・・学習自体が楽しいため
デシの理論であれば①から④へ、
市川伸一さんの理論であれば①~③から④~⑥へと、
移行させていけば良いのです。
もちろん、例外や注意しなければいけないこともあります。
例えば市川伸一さんの理論の例外は、使命感がとても強い人です。
「私はどーっしても医者にならなければいけないんだ!」
「僕が総理大臣になるのは天命なんだ!」
という感じで、使命感たっぷりの子どももいるのではないかと思います。
実用志向に近くはなりますが、そういう子どもは自ら勉強すると思いますので、ここでは扱わないことにします。
注意しなければいけないことは、内発的動機で勉強している人に、
むやみに報酬(アメ)を与えてはいけないということです。
面白がってやっていた活動(勉強)が、何かの報酬をもらうための手段だとみなされてしまうと、
もともとあった内発的動機が薄くなってしまうのです(減退効果といいます)。
例えば、もともとは仕事が好きでやっていたのに、年収3000万円もの報酬をもらっていたところ、
気づけば報酬目当てで仕事をするようになってしまうのです。
では、具体的にはどのように外発的動機から内発的動機へもっていけば良いでしょうか。
時間をかければ簡単なことで、親ができることとしては、
① いい環境を作ってあげること
② 良いアドバイスをすること
があります。
次の記事でこれらを紹介しますね!
今回出てきた市川伸一さんの理論について詳しく知りたい方は、
こちらの書籍がおすすめです。
2012-05-02 02:37
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